baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 尖閣諸島問題

 日本固有の領土であると僕は思っている尖閣諸島で、不法就労中の漁船を臨検しようとした海上保安庁の巡視船に、中国漁船が体当たりして逃走を図ったことから漁船の船長が逮捕された。漁船と言っても、斯かる紛争地域での中国漁船は偽装船が多く、船員も軍人の事が多いと言う。武装の貧弱な巡視船の乗組員にはリスクが高く、気の毒な事である。
 尖閣諸島と言うのは、日本が1895年に周辺国の反応を見ながら、特段の異論がなかった事を確認した上で石垣島に所属すると宣言し、世界各国もそれを承認しているれっきとした日本固有の領土である。その後、日本の入植が進み1940年までは日本人が住んでいた。鰹節が特産品であったと言う。日本人が離島してからは、無人島となっていた。
 ところが1969年になり、周辺に膨大な海底油田がありそうな事が分かり、1971年になって台湾と中国が相次いで領有権を主張し始めた。言ってみれば後出しも良い処であり、ハーグの国際司法裁判所に提訴すれば、先ず100%日本が勝訴するであろう日本の領土である。米国も日米安保の対象領土であると明言している。
 その日本の領海内で不法漁労をしていたと疑われる漁船を臨検するのは日本の当然の権利である。それに対して中国は、尖閣諸島は自国の領土であるとして日本の海上保安庁の行動を違法と非難し、あろうことか中国の高官が土曜日の深夜(日曜の早朝)1時に駐北京日本大使丹羽宇一郎を中国外務省に呼び出したと言う。極めて異例な事例と言うが、極めて非礼な行為と言うべきである。前述の通り、客観的には日本の領土で間違いないように思うが、そうではないと言うのなら、中国は一方的に自国領土であると主張する事はやめて、さっさとハーグで決着を付ければ良いではないか。それをやることもやらずに後出しで自国領土と勝手に主張するのみならず、日本を恫喝する。日本は恫喝すれば頭を垂れると見くびっているのである。恐らく中国はハーグに持ち出せば勝ち目がないのを知っていて、恫喝で弱腰の日本から略奪しようと狙っているのであろう。韓国の竹島略奪と同じ手口である。
 未だ政府にコントロールされていて全てのURLが見られる訳ではないが、それでも中国でもインターネットが普及して様々な意見が共有され始めた昨今である。特に、所得格差が顕著になり国民の間に不満が鬱積しているので、ガス抜きの意味で国が率先して保守的な、即ち愛国的な論調を誘導している節がある。今回の漁船長逮捕でも、インターネットで日本を非難する書き込みが多いと言う。そして、その世論を背景に強気に恫喝してくる中国である。
 しかも漁船拿捕の後、中国の調査船が日本の領海侵入すれすれで日本を挑発しているようである。日本政府が直前に抗議しなければ、領海侵犯を犯したであろう。中国は自国領と一方的に領有権を主張し、日本を恫喝し、駐北京大使には非礼を働き、何とかして何時もひ弱な外交しか出来ない日本を腰砕けにしようと目論んでいる。だからと言って別に尖閣諸島問題で日本が本気で熱くなる事はないが、中国の一方的な恫喝に屈してはならない。日本の権利は主張するだけ主張して、日本の権利は行使するだけ行使して、にっちもさっちもゆかなくなって中国側が折れてきたらハーグで決着を着ければ良い。それまでは冷静に、しかし断固として対処して欲しい。中国や台湾に、間違っても馬鹿にされてはならないし、客観的に日本固有の領土であるなら、意味無く放棄するなり中途半端な妥協をしてはならない。もっとも台湾の場合は、恐らく中国の傀儡一派であって中国と同根であろうからそれ程気にする事はなかろう。
 竹島で軍人を駐屯させるなど、次々と既成事実を重ねている韓国に何も出来ない日本、特に朝鮮半島か日本かどちらが祖国か分からない様な民主党政権にはイライラさせられるが、今回の尖閣諸島問題では今のところ上手に対処しているようである。