baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 いよいよ高速道路上限1,000円の終焉

 高速道路の料金上限1,000円がいよいよこの週末を最後に終わる。同時に、地方の高速無料化も終わりとなる。古いこのブログを読み返してみると、書き始めて1週間でもう高速無料化を批判している。その直前のお盆の時に、空前絶後の首都圏高速大渋滞があったからなのだが、当時から僕は民主党のバラ捲きマニフェストに怒り狂っていたから、今読み返しても中々良い事を書いている。そしてこの話題はその後も何度か、このブログで俎板に乗った愚策である。
 そう、僕は初めから高速道路無料化には反対であった。高速道路は無節操に混雑するし、サーヴィスエリアも行楽シーズンの休日には駐車スペースがなくなりトイレは長蛇の列となる。女性は特に気の毒な位待たされる。車を使う人が増えるからCO2の排出は当然増えるし、長距離バスやフェリー、鉄道、航空機も旅客が減って大打撃を受けた。特にフェリーはこの2〜3年で随分路線が減ってしまった。僕は受益者負担の原則は絶対に貫くべきであると、常に思っている。
 民主党政権はその経済効果を宣伝する。しかし、その為に何千億円もの税金を突っ込めば、その税金を計算しなければ多少はプラスの部分もあるであろう。ない筈がない。しかし、それだけの税金を突っ込んでいる事を差し引けば、果たしてどれだけの経済効果があったかは怪しい物である。
 その財源確保に、衆院選前の大風呂敷が真っ赤な嘘だった事がバレて、民主党は随分と苦労していたが、それでも結局は本当の無料化実験路線は地方の交通量が少ない道路や短い道路ばかりでお茶を濁していた。しかしそれにも拘わらず、未だに財源確保が難しくて四苦八苦していた。そこへ降って湧いたのが今回の大震災である。民主政権は不埒にもこの大震災復興を口実に、一般高速の無料化や休日料金の上限制を廃止して東北道常磐道磐越道などの被災地周辺の高速道路のみ、罹災者、被災者に限って無料にすることとした。しかしそこまで規模を縮小しても、実は未だ年間1,200億円の財源が必要となると見積もられている。
 民主党としては、やはりマニフェストの公約を全面撤廃するのは具合が悪いのであろう、実質コストを下げながら被災地支援を前面に打ち出して何とか面子を保つ苦肉の策と見える。しかしこの被災地周辺の高速道路無料化も、何とも中途半端で主旨が一貫しないバラ捲きである事には変わりはない。本当に被災地支援なのであれば、先ず一般の物資運搬、或いは観光客の車を無料にしなければ決して復興支援にはならないのではないか。逆に、被災証明、罹災証明を持っている人の何割が今現在車を保有しているのであろうか。甚大な被害を受けたかなりの人は、車も使えなくなっているのではないかと思う。結局この制度を一番享受できるのは、被害の程度が比較的軽い人が多いのではないかと個人的には危惧しているのである。勿論、震災の被害を受けた人に少しでも助けになるのなら、それを批判する物ではないが、同じ税金を投入するのならもっと経済効果が高く、且つ支援の必要度の高い人に、より傾斜する方法が他にあるように思えてならないのである。本当に政権が宣伝しているような効果的な復興の支援になるのか、僕には甚だ疑問である。
 などと偉そうは言いながらも、実は個人的にはやはりツーリングへ出掛けるのに相当な負担増になる。例えば東京から上高地へ行くのに松本まで中央高速を使えば、バイクで今週末までは往復2,000円なのが20日以降は10,000円になる。2009年の4月にやったような、1,000円で何キロ走れるかと、(首都圏は別に950円ほど掛ったが)一歩も高速から出ないで、12時間近くかけて1,111km走ったりするバカももう出来なくなる。それで、日頃の偉そうな口ぶりとは裏腹に明日出掛けようと思っていたが、残念ながら明日はまたかなりの雨模様なので諦めざるを得ない。明後日は最後のチャンスなので、何とか晴れて欲しい物である。