蜂蜜を買いに

　この処毎日出歩いているので、出癖がついてしまった。今日は何処か出掛ける処はないかと思いあぐねて、夕方から厚木へ蜂蜜を買いに出掛けた。東名高速を使えば家から1時間も掛らないのだが、東名は高速代が高いのでケチをして第三京浜と横浜新道と下道で行く。それで片道1時間半程掛ってしまうのだが、バイクに乗るのが目的の半分であるから、安上がりで長く乗れて正に一石二鳥なのである。
　もう陽が落ちるのが早くなり、5時を回るととっぷりと陽が暮れる。薄暮の空にうっすらと浮かぶ丹沢の山々を遠目に、冷んやりとしてきた空気が肌に心地良い。昨日までとは打って変わって、今日は急に気温が下がった。長袖シャツの上にコットン・セーターを着て、その上にインナーこそ未だ付けていないが冬用のジャケットを着て調度良かった。もう一足飛びに晩秋が訪れたのかと思う様な気温の変化である。
　途中で自転車用のヘルメットを被り、しっかり身繕いをしたスポーツ自転車に乗っている年配の男性がいた。細いタイヤの信号無視常習の自転車なのだが、この男性は僅か3〜4mの細い道の出口の赤信号でも、しっかり守って停車していた。バイクもそうなのだが、身形がしっかりしている乗り手は技術も高くマナーが良い。世の中がこういう人ばかりなら、「自転車に免許制度を」などと言う無粋な事を言う事はないのだが。昨日の今日なので一入、この男性には感銘を受けたものである。
　海老名、厚木の辺りは、今迄知らなかったのだが随分と田畑が多い。梨園もある。同じ神奈川県でも、横浜からちょっと外れると随分と風情があると、改めて見直した。目的の養蜂園一帯は丹沢山系に位置し、樹木も花も豊富で蜜を取る植物には事欠かないそうである。そして蜜蜂の行動半径は1日100kmを越えるので、純粋良質な蜂蜜が作れるとの説明であった。実際、この養蜂園の蜂蜜は掛け値なしで素晴らしい品質である。サプリメントなどの健康薬品には全く興味のない僕なのだが、蜂蜜ばかりは1日一匙の健康法と最近始めたものである。1日で往復200kmも飛べる蜜蜂にあやかろうと思っている。