baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 また西側の挑発と、呼応する過激派ムスリムによる無意味な殺戮

 リビア東部ベンガジで11日夜、群衆による米国領事館襲撃を受けて避難しようとしていたスティーブンス駐リビア米国大使と3人の大使館職員がロケット弾攻撃で死亡したと言う。襲撃の発端となったのは米国で制作された映画で、そこではイスラム教の預言者ムハンマドが女性好きの上に同性愛者として登場し、更には子供を犠牲にする冷酷な指導者として描かれるシーンも出てくると言う。デンマークの新聞がムハンマドの風刺漫画を掲載して、国際問題になってしまって間もないと言うのに、またもや懲りない西側の挑発である。
 問題となっている映画「Innocence of Muslims」は、題名からしイスラム教徒を小馬鹿にしているが、この映画では在カリフォルニアの、反イスラムで有名な牧師、テリー・ジョーンズも宣伝に関与していると言う。テリー・ジョーンズは2010年にイスラム教の聖典コーランを焼却すると公表し、米政府の再三に亘る中止勧告をも無視して焚書を実行した狂信的なキリスト教徒である。その結果はアフガニスタンでの抗議デモを誘発し、タリバンによる無実な米兵の惨殺を招いてしまった事は未だ記憶に新しい。その気狂いが、また懲りもせずに過激派ムスリムを挑発する事に手を貸している。この男の言動の為に、一体何人の米国人の血が流れるのであろう。また、映画のプロデューサーはサム・バシルと称するイスラエル系米国人の不動産屋と報道されているが、イスラエル当局は今の処そういう人物の存在は確認できないとしているらしい。何れにしても犯人はイスラエル系と、狂信的キリスト教徒の米国人である。
 ムハンマドが子供を犠牲にする冷酷な指導者という段は、ムハンマドの口を借りた神の言葉であるクルアンには子供を大事にしなければならないと言う教えが再三、再四出てくるから、ムハンマドが冷酷に子供を犠牲にする事はあり得ない。またこの映画には、コーランユダヤ教聖典キリスト教の聖書から作られたと解されるエピソードがあると、恰もこの事がイスラム教徒を刺激するような書き方の報道もあるが、イスラム教ではユダヤ教キリスト教は同一線上の宗教であり、同じ神が発した言葉を夫々の預言者が語っている訳だから、この事自体は少しも反イスラムではない。問題は本来映画などと言う娯楽の対象にしてはならない預言者ムハンマドと言う重要人物を、軽々しく映画に登場させた上に反社会的な悪者に描いている処にあるのであろう。
 つまらない、悪意のある映画にむきになって怒るイスラム教徒も、実は大多数は計算ずくで米国襲撃のチャンスを狙っている極く一部の過激派であり、大多数のイスラム教徒はこんな映画は見る気も起きないし相手にもしないであろう。他方、アル=カイダの様な気狂い集団に攻撃の口実を与える側も、実は無差別にイスラム教徒を攻撃し、殲滅したい一部のシオニストが米国市民の反イスラム感情をひたすら煽っているものであろう。一般のムスリムも米国市民もそういう極く一部の政治的思惑を持つ集団に踊らされるのは実に無意味だと思う。イスラム世界も西側もこういう下劣な策略に乗るのはもういい加減にしたら良い。その為に流される無駄な血を思うと、返す返すも無意味な軋轢である。
 この記事を探してネットを探索していたら、他にもイスラム教を馬鹿にする英語サイトが幾つも見つかった。何れも悪意芬々のサイトであるからバカバカしい下劣な内容ばかりであるが、そこに登場する預言者ムハンマドをそのままイエス・キリストに置き換えたらキリスト教徒はどう感じるであろうか。そういう置換がいとも簡単な、単純な中傷誹謗なのである。自分が何を信仰しようと、それは個人の自由である。しかし他人の宗教を誹謗したり、増してや宗教が異なるからと他人の土地を強奪するなどはもっての他である。斯かる無意味な争いの源泉である中東の地に、早く平和が訪れる事を祈って止まないが、イスラエルが存続する限りは無駄な血が今後も流れ続けるのであろう。ユダヤ人の中にすら、イスラエルの建国は時期尚早であったと言う声が多々あると言うのに。